<豆知識>
パルスオキシメータの機能と測定結果について

「酸素飽和度」SpO2
パルスオキシメータは、1974 年に、日本の医療工学者 青柳卓雄 博士により発明された技術です。この発明は、指先に光センサーを付けて組織を透過する光を分析して、ヘモグロビンが酸素と結合している割合 (酸素飽和度) を求めます。ヘモグロビンは、酸素と結合していないときには赤色を吸収し、酸素と結合しているときには赤色をあまり吸収しません。この性質を利用して、血液中のヘモグロビンの何%が酸素とくっついているか「酸素飽和度」SpO2 を簡単に測定できます。

日本呼吸器学会(1)によれば、96~99%が正常値とされています。 少し歩いた後に測定すれば酸素飽和度は93~95%くらいになることもありますし、96%を瞬間的に下回ったからといって即座に異常という判断にはなりません。
ただ、いかなる場合でも医師が容認できないラインが90%です。このラインを切ってくると「呼吸不全」と呼びます。これは間違いなく異常です。90%を切った段階で対策しては遅いということで、新型コロナの場合93%未満の時点で中等症IIとして対応する必要があります。

「心拍数」

一定の時間内に心臓が拍動する回数のことで、通常は1分間の回数を指します。
心臓から送り出される血液によって生じた拍動が、動脈に拍動として現れたものが脈拍で、心拍脈拍はほとんど同じとなります。

心臓の右心房付近にある「洞結節」から、心臓を収縮させる電気刺激(自動能)が、通常1分間に約50~100回くらい規則正しく発せられています。これを「整脈」といいます。 脈拍数は心臓の活動状況を端的に表しており、基本的に交感神経が優位になっている場合は早く、副交感神経が優位になっている場合は遅くなります。

日本循環器学会によると、脈拍が凡そ50回/分未満を「徐脈」(脈が遅い)、凡そ100回/分以上を「頻脈」(脈が速い)といいます。 また、拍動が不規則になっている場合(脈が乱れる)もありこれらを総称して「不整脈」といいます。

「徐脈」

徐脈は脈が遅くなる不整脈で、通常1分間の脈拍が凡そ50回未満になることを言います。
脈拍が少ないため、心臓は日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができません。 このため、めまいや息切れを起こします。
・ 症状
徐脈の症状には、めまい、失神、過度の疲労感、息切れなどがあります。

「頻脈」
頻脈とは脈が速くなる不整脈で、通常1分間の脈拍が120回以上、多い時には400回にも達します。脈拍が速すぎると、心臓は血液を効率的に送り出すことができなくなります。
あまり速すぎると、血液を送り出す心臓がカラ打ちし、全身へ全く血液を送れない状態(心停止発作)に至ることもまれではありません。
・症状
脈の乱れの自覚
息切れ・動悸(心臓がドキドキする感じ)・めまい・立ちくらみ
突然の虚脱感
失神・けんれんを伴う失神

当社が販売する「パルスオキシメーター」は、すべて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「所管 厚生労働省」によって、日本で医療機器認証された医療機器です。


参考-1 PMDA
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)は、平成13年に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画を受けて、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構及び財団法人医療機器センターの一部の業務を統合し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて平成16年4月1日に設立され、業務を開始しました。
PMDAは、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。「厚生労働省所管」
引用元 https://www.pmda.go.jp/


参考-2 パルスオキシメーターの原理(引用 Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/パルスオキシメーター

赤-赤外線波長における酸素化ヘモグロビン(HbO2)と脱酸素化ヘモグロビン(Hb)の吸収スペクトル

プローブは発光部と受光部(センサー)で構成されている。発光部は赤色光(波長約660ナノメートル (nm))と赤外光(波長約940nm)を発し、これらの光が指先等を透過したもの(または反射したもの)を受光部(センサー)で測定する。

血液中のヘモグロビンは酸素との結合の有無により赤色光(脱酸素化ヘモグロビン(RHb)がよく吸収する)と赤外光(酸素化ヘモグロビン(O2Hb)がよく吸収する)の吸光度が異なるため、センサーで透過光や反射光を測定して分析することによりSpO2(動脈血酸素飽和度:動脈血中の総ヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンが占めている割合%)を測定することができる。

透過光・反射光全体のうち動脈血を透過したものと静脈血や軟部組織を透過したものの区別は、拍動のある成分が動脈血によるものであることを利用する。このため、動脈の拍動が検知できない状態においては測定ができない。
また、拍動のある脈波成分より脈拍数を計数している。なお、以上の原理より明らかなように、これらがパルスオキシメーターで検知できているということは、パルスオキシメーターのプローブが取り付けられている位置(指先のような末梢)において血行が保たれていることも意味する。

参考-3 SpO2(動脈血酸素飽和度)の基準値(一般社団法人 日本呼吸器学会) 
「よくわかるパルスオキシメータ」患者向け(1.41MB)
https://www.jrs.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=68

健康な方の SpO2の標準値は96 ~ 99%です。
SpO2が90%未満は呼吸不全の状態です。 長期に継続すると、心臓や脳と いった重要な臓器に充分な酸素が供給 されず、障害を起こすことがあります。

酸素吸入器等の使用で酸素量を増やすと、二酸化炭素が身体に貯留してしまうことがあります。
 急激に二酸化炭素が身体に貯留すると、頭痛、発汗、血圧上 昇を来し、最悪の場合、昏睡状態を 起こす場合があります。