4. 社内薬物検査で検査する薬物の種類
(1)薬物検査の種類
弊社が推奨するスクリーニング検査
- 1. シンプルな(尿)検査
- 国内で最も使用されている薬物 3種類(事務員や店員、短期アルバイト等 低リスク群向け)
- コカイン
- メタンフェタミン(覚せい剤)
- 大麻
- 2. 標準的な(尿)検査
- 社員採用時/定期・不定期検査/抜き打ち検査/事故・インシデント発生後の検査等
- アンフェタミン
- メタンフェタミン
- バルビツール酸
- ベンゾジアゼピン
- コカイン
- MDMA
- オピエート(モルヒネ・ヘロイン)
- フェンシクリジン
- TCA 抗うつ薬
- 大麻
- 3. シンプルな(唾液)検査
- 国内で最も使用されている薬物 3種類(飲食店・社交・遊技場、短期アルバイト等 人の出入りが多い職種向け)
- アンフェタミン(覚せい剤)
- メタンフェタミン(覚せい剤)
- 大麻
- 4. 標準的な(唾液)検査
- 定期・不定期検査/抜き打ち検査/事故・インシデント発生後の検査等
- アンフェタミン
- メタンフェタミン
- ベンゾジアゼピン
- コカイン
- MDMA
- オピエート(モルヒネ・ヘロイン)
- フェンシクリジン
- 大麻
- 5. 年配者が多い職場の検査
- 覚せい剤・麻薬類より処方薬長期服用によるもの
定期・不定期検査/抜き打ち検査/事故・インシデント発生後の検査等
- アンフェタミン
- メタンフェタミン
- 大麻
- オピエート(モルヒネ・ヘロイン)
- ベンゾジアゼピン
- ゾルピデム
- フェンシクリジン
- 三環系抗うつ薬
【参考(例)】
☆ DOT米国運輸省規則では、次の6つの薬物検査を指定(指定以外の薬物の検査を制限するものではない)しています。
- 大麻
- コカイン
- アヘン剤(阿片およびコデイン誘導体)
- 覚せい剤(アンフェタミン)
- 覚せい剤(メタンフェタミン)
- PCP(フェンシクリジン)
現在世界で出回っている薬物とその概要
企業や学校で薬物検査を導入するにあたっては、事故・事件及びDrug Scandalの予防という点から、大麻・覚せい剤・コカイン等の違法薬物のほかに、睡眠薬・精神安定剤・抗うつ剤・鎮痛剤・ADHD(多動性症候群治療薬)等の慢性的な使用も幅広くチェックする「マルチ-スクリーニング検査」を導入されることを推奨します。
覚せい剤 |
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アヘンアルカロイド系麻薬 |
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コカアルカロイド系麻薬 |
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幻覚剤 |
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大麻類 (marijuana) |
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処方薬 麻薬、向精神薬取締法 |
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(2)日本で使われている違法な薬物の実態
下記は NCNP(厚労省所管:国立精神衛生研究所)から2020年に発表されたデータです。
このデータは、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた方が、入所前1年間に摂取した主な薬物を集計したものです。
一番多いのは覚醒剤ですが、2番目は睡眠薬・抗不安薬などの処方薬、3番目は一般市販薬です。
これに対して警察のデータは、一番多いのが覚せい剤、二番目が大麻となっており、厚生労働省と警察庁のデータに相違が生じています。
これは治療(厚労省)を受けた人と、検挙(警察)された人という統計の基になる要素の違いに起因するものと思われます。
【参考データ01】精神科医療施設における薬物使用障害社患者の主な薬物
NCNP : 厚労省所管 国立精神衛生研究所
平成30年度厚生労働省化学研究費補助金 H29 医薬一般-001
研究分担者 松本俊彦 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長 ほか
「一年以内に使用有り」症例の主たる薬物(N=1149)
処方箋・医薬品については治療目的以外の使用(乱用)
全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査2020より作図
概要
精神科医療施設を対象とした調査によれば、「覚醒剤」を主たる薬物とする患者が半数近くを占めている一方、睡眠薬や抗不安薬(多くがベンゾジアゼピン系薬剤)を主たる薬物とする症例が増加しており、現在では覚醒剤に次ぐ患者群になっています。 なお、大麻を主たる薬物とする患者は、患者全体の数パーセントにとどまっています。
(3)「ベンゾジアゼピン」という伏兵の存在
検査が必要な薬物は「覚せい剤」や「大麻」だけではありません。
医師の処方により容易に入手できる合法的な医薬品に含まれる「ベンゾジアゼピン」(商品名:デパス・その他)によって、薬物依存に陥るケースが問題視されています。
ベンゾジアゼピン(エチゾラム・その他)とは
平成28(2016)年9月14日に、エチゾラムを含めた3物質(ゾピクロン・エチゾラム・フェナゼパム)が新たに第三種向精神薬として指定されました。(麻薬及び向精神薬等取締法)
- 商品名
- デパス、ハルシオン、ジアゼパム、その他
- 副作用
- 眠気 ふらつき、脱力感 筋弛緩作用 健忘 依存症 高齢者でせん妄を生じることがある
【危険な副作用】せん妄とは
せん妄とは、脱水、感染、炎症、貧血、薬物など、身体的な負担がかかった時に生じる「意識の混乱」です。高齢者、特に認知症を合併している方はさらに生じやすいと言われています。
● 症状
ボーッとしたり、つじつまの合わない話をしたり、昼夜のリズムが乱れたり(昼間にウトウトして夜間は眠れない)、夕方あたりからソワソワと落ち着かなくなったり、現実にはないものが見えたり、時間・場所が分からなくなったりするなどの症状が生じます。
★ 自動車の運転は大変危険と思われます(弊社の意見)。
● 治療法
せん妄の原因となっている身体疾患の治療や、薬物の調整を行います。特に、ベンゾジアゼピン系睡眠薬(ゾルピデム、エスゾピクロン、トリアゾラム、エチゾラム、ブロチゾラムなど)はせん妄を誘発しやすいため可能な限り中止します。
せん妄を予防したり改善する効果のある薬物療法を行います。
(4)若者に蔓延る大麻問題
- * 大麻 Scandal を引き起こすのは、好奇心や行動力の強い若者世代が中心
- * 大麻問題の特長:大麻に手を出すのは、20歳未満から30歳代の若者が 87%を占める
高校や大学などの学生寮や合宿所、プロスポーツ団体、軍隊や警察学校などの若者が集う組織は、麻薬シンジケートにとって最良の見込み客といわれています。
(5)一次検査で使用されるデバイス
1. 尿による検査
〇 長所:古くから 「最も安定した」「信頼性の高い」 検体として各分野で使用されている
〇 短所:トイレが必要・男女別採取、尿採取現場の目視確認とプライバシーの問題、検体すり替えや加水等の問題行為が起きやすい
2. 唾液・口腔液による検査
〇 長所:男女同時検査が可能、プライバシー問題が起き難い、何時でも何処でも検査可能、検査官の面前検査のため監視員不要
〇 短所:尿検査に比べて幾分精度が低い、ややコストが高い、唾液検査で陽性の場合尿で再検査する手間がかかる
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唾液検体による検査STAT-SWAB(EC認証)
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- ・唾液による6種の検査
- 詳細はこちら詳しく見る
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- SALIVA-Ⅲ(EC認証)
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日本で最も違反が多い違法薬物3種に絞った低コストな検査キット
- ・シンプルな3種唾液検査
- ・Amphetamine(覚醒剤)
- ・Metamphetamine(覚醒剤)
- ・大麻(マリファナ・ハシッシ)
- ・低価格
- 詳細はこちら詳しく見る
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- SALIVA-8(EC認証)
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トラック・バス・タクシー等の操縦者の検査に
- ・8種類の唾液検査
- ・米国DOT規則準拠
- ・運輸事業乗務前検査
- ・不定期・抜打検査
- ・社内自主検査
- 詳細はこちら詳しく見る
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- SALIVA-12(EC認証)
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飛行機・船舶・鉄道の操縦者の検査に
- ・最大12種類の唾液検査
- ・米国DOT規則準拠
- ・航空・鉄道・船舶乗務員検査
- 詳細はこちら詳しく見る
3. 毛髪・体毛による検査
〇 長所:薬物の検出可能(毛髪残留)期間が90日にわたるため、検査逃れを予防できる、プライバシー問題が起き難い
〇 短所:被検者の同意が条件、コストが高い、検査員の教育訓練が必要
☆ 尿や唾液の検査では多くの薬物が2〜4日程度で検出できなくなりますが、毛髪は直近の1ヶ月を除く過去3ヶ月間の薬物使用が検出できます。