株式会社アイテム

6.「検査拒否」等への基本的な対応ルール

1. 一次検査が「陽性」の場合の規定

※参考例です、詳細は弁護士と相談してください

〇 一次(スクリーニング)検査が「陽性」の場合、擬陽性(陽性の疑い)として下記の暫定的な処分を規定します

a
  • ア. 重大な事故・被害を招く恐れがある業務、社会的影響の大きい職種への就業(就学)等の一時停止
  • イ. 臨時配置転換
  • ウ. 待機命令
  • エ. 重要情報へのアクセス権の停止 サーバー接続停止 出入管理・アクセスカードの回収 来客応対禁止
  • オ. 観察 等 などの仮処分ルール
b 〇 ア-1 重大な事故・被害を招く恐れがある業務とは:
  • 1. 武器を所持または使用する職務 (警察・自衛隊・海上保安庁含む)
  • 2. インフラ施設(原発/コンビナート/空港施設等)のオペレーションに従事する従業員
  • 3. 航空機・船舶・列車・大型重機の操縦及び管制
  • 4. 危険物・可燃物の輸送等
  • 5. 会社や官公署等の重要機密に触れたり、その端末を操作する職務
  • 6. オンライン決済端末の操作
  • 7. 営業車 : トラック/バス/配送車/社有車 * 通勤用自家用車の運転
c 〇 ア-2 社会的影響力が大きいとされる職種
  • 8. 公務員(国家・地方公務員)
  • 9. 国家や企業の重要機密情報に接する職員(みなし公務員含む)
  • 10. プロスポーツ選手
  • 11. 公営ギャンブル関係者
  • 12. 学生等

以上が該当するのではないでしょうか。

a-ア:運転や操縦等、危険が生じる恐れのある職務への就業を停止した場合、「運転手当等」は支給されません。

2. 確認検査が「陽性」の場合の規定

※参考例です、詳細は弁護士と相談してください

※観察等 仮処分:弊社社内用語
a
  • ア. 最寄りの警察本部または所轄署の「刑事部 薬物対策課」または厚生省「麻薬取締局」への相談
  • イ. 人事処分 : 危険を伴わない職種への移動、降格、減給等の処分を科し、観察処分の対象となります
  • ウ. 社内検査で「陽性」が確定しても、むやみに解雇はできません
  • エ. 在籍を望む場合、「観察処分」を命じ、薬物依存症の治療と長期にわたる継続的な薬物検査が義務付られます
b
  • オ. 「観察処分」で使用する薬物検査の費用(一次検査 円/回:確認検査 円)の全額、または N%を個人負担します
  • カ. 薬物依存症の治療、リハビリ施設等の紹介、斡旋等の従業員保護プログラムを提示します
  • キ. 規制薬物の所持や使用などで、逮捕されたが「不起訴」処分の場合、イと同様の処分が相当かと思われます
c
  • ク. この検査で「陽性」が検出された場合、「薬物の使用」が断定されますので、懲戒処分に該当します
  • ケ. 規制薬物の所持や使用で、逮捕・起訴・有罪(執行猶予含む)となった場合は、懲戒処分に該当します
  • 〇人事処分・観察処分・薬物依存症治療中は、賃金の一部、または全部が支給されません。

3.「検査の拒否」等その他の違反

※参考例です、詳細は弁護士と相談してください

〇 薬物検査の拒絶・検体提出の拒否・検査当日の欠勤・早退・行方不明・同意書・問診票・お薬手帳等の提出拒否等への対応

a 会社の指定する「職域薬物検査 担当医」 Medical Review Officer (MRO)に、医師の「守秘義務」を提示したうえで、当人から事情を聴取をする機会を与えます
医師の判断・意見をもとに人事異動を発令し危険性やリスク度の低い職種へ移動します
b 薬物検査(スクリーニング)を拒絶する場合、一次検査「陽性」と同様の処置となります
  • ア 重大な事故・被害を招く恐れがある業務、社会的影響の大きい職種への就業(就学)等の一時停止
  • イ 臨時配置転換
  • ウ 待機命令
  • エ 重要情報へのアクセス権の停止 サーバー接続停止 出入管理・アクセスカードの回収 来客応対禁止
  • オ 観察 等 などの仮処分ルール。
c 検査拒否・その他の拒否等が続く場合、人事異動を発令し危険性やリスク度の低い職種へ移動します
d 長期間、例えば1~2週間検査を拒否し、その後検査に応じる場合 「 検出時間逃れ」の恐れがあります
その場合「観察等 仮処分」を命じ、週2~3回 程度の臨時検査を6ヶ月程度命じ、「観察」を実施します
e 確認検査で「陽性」結果を本人が認め、薬物依存症の治療とリハビリを終え職場復帰を希望する場合、危険を伴わない分野の職種(清掃・雑役・荷捌き・事務等)に従事し、週2~3回の臨時検査を最大60ヶ月程度命じることがあります。

会社側が守るべき基本原則

※参考例です、詳細は弁護士と相談してください

薬物検査は本人の同意が原則で検査を強制はできません。 とはいえ「薬物検査」を拒否された場合、違法薬物を使用していないことを証明できません。

例えば、列車や大型バスを運行する会社は 「乗客の安全」「乗務員の安全」「道路を走る他の車両や歩行者の安全」を最優先する義務を負っています。この安全義務を超越する個人の都合というものを会社は認めません

運転や操縦など危険性が高い業務への就業を禁止し、リスクの少ない職種(例えば 場内清掃・雑役・荷物の仕分け等)へ配置移動しなければなりません。